Glossary

エルフ - Elf

始のエルフ

"Beginning Four Elves"

暴走した聖杯から誕生した4つの生命。それが始祖のエルフである「始のエルフ」たちである。南のガゼルゼンス、北のヤムリシェンド、西のラドゥイアゴス、東のイグリザンドの順に誕生した。
竜神の眷属である宵闇の竜カミラに守られ、育てられた彼らは、神属種に匹敵する知識および能力を保有するとされている。
また、3億年もの永い時間を生きているためか、彼らは生に飽きているのでは、とも言われている。
平和な大地は代り映えをしない。そんな彼らは、もしかすると刺激に飢えていたのかもしれない。

東のエルフ

Eastern Elf

極東の島国「ワノクニ」にのみ住まう種族。真っ直ぐな黒髪に、暗い茶色の瞳、やや黄色みを帯びた肌をしている。生真面目で少し神経質な者が多い。
かつては数千年とユーゴルドキア大陸を彷徨った流浪の民。ゆえに漸く手に入れた安息の地である島を、二度と離れてたまるかという考えが根強い。
外海から来る新しいもの全てに興味津々である反面、自ら外海に漕ぎ出し見知らぬ地へ行こうとする者は少ない。

西のエルフ

Western Elf

ユーゴルドキア大陸の北西部、青の平原ユダレスト領に住まう種族。枯れ草色に似た金髪に、碧い瞳、白い肌をしている。のんびりマイペースな者が多い。
ユダレスト領に住まう西のエルフの大半は、昔はイグレスラッド島で暮らしていたが、オルフェウスの子らを恐れ大陸に逃げてきた存在。
「黄金の王と同じ、純なる西のエルフ」であることを誇りに思う者が殆どである為、オルフェウスの子らと一緒くたにされると、彼らはひどく憤慨するだろう。

南のエルフ

Southern Elf

アレンティア大陸の北側、灼熱の砂漠ライタフィルズに住まう種族。縮れ毛な黒髪に、真っ黒な瞳、褐色の肌をしている。時間にはややルーズだが、働き者が多い。
ライタフィルズは商業地域として発展してきた地である為か、社交性に富んだ者も多いのが特徴。
そうであると同時に、「協調」を尊ぶ南のエルフは、対極の「孤立」の道を選んだ西のエルフを、目の敵にしている者も多い。
明るい光が射すからこそ、濃く暗い影も落ちるものである。

北のエルフ

Northern Elf

ユーゴルドキア大陸の北東側、極寒の雪原ラッシェムア領に住まう種族。明るい茶色の髪に、明るい茶色の瞳、真っ白な肌をしている。
寒冷地に住まう種族ゆえか、吹雪をも吹き飛ばすほど豪快で、雪を溶かすほど懐の篤い者が多い。
一方、雪原の狼のように荒々しく、敵には容赦なく牙を剥く側面を持つ。
仲間にいれば心強いが、敵に回せば恐ろしいことになる。それが北のエルフである。

オルフェウスの子ら

Orpheus' children

青の平原ユダレスト領のさらに北、イグレスラッド島に住まう種族。枯れ草色に似た金髪に、碧い瞳、白い肌をしている。警戒心が強く、排外的なものが多い。
見た目こそ西のエルフに酷似しており、区別もつかないが、西のエルフとオルフェウスの子らには明確な違いがある。それは、西のエルフは母親の胎から産まれる動物であり、オルフェウスの子らは木の実から産まれる植物だという点だ。
イグレスラッド島にいる大方の者は、植物である。このことを、忘れてはならない。

エルフの四神器

<Four treasure>

かつてゲルタグランド洞窟に遺棄されていた神器。チャリス神のものであったとされているが、真偽は定かではない。
現在は、昔のように暴走することもなく、安定した状態を保っているが、強大な力を持つ道具である故、始のエルフが厳重に保管、運用をしている。
新たな命を生み出す聖杯、永遠の命を与える聖盆、強大な力を齎す聖剣、真理への道を穿つ聖槍の4つが大地には存在している。


ホビット - Hobbit

ホビット

Hobbit

ユーゴルドキア大陸の南西部、エーラドンナ半島周辺およびアレンティア大陸に点在する種族。小さな体に、西のエルフも驚くほどの膨大な量のマナを保有している。起源は、波打ち際の小さな貝殻の中から誕生した生命から。
子供のような見た目からは想像もつかないほどの、高度で優れた威力を持つ魔法を得意としている。
マナの扱いを苦手とする南のエルフとドワーフは、ホビットにとっては良きビジネスパートナー。なので霧開き商会では、多くのホビット族が商会員として、そして乗組員として働いている。

エルサムガスク公国

Grand duchy of Yelsamgosc

ホビット族の国家。南のエルフから独立した自治領としては、今のところ最大の領地を持つ。2500年ほど前に南のエルフの属領から円満に独立し、ホビット族が自治権を得た。
唯一、民主主義を実践する領であり、エルサムガスク公国を治める議長は4年に一度、選挙により選ばれる。そして選ばれた議長は「エルサムガスク公」となる。現議長、ラニャーマ=ゼラギアは3選目である。

エーライア神殿と竜の玉

The Temple of Aliaea and Dragon's Gem

エルサムガスク公国に住まうホビット族の一番の仕事は、エーラドンナ半島の海を守ること。それはつまり、エーライア神殿に眠る海の守護者の眠りを守ることである。
エーライア神殿には「竜の玉」と呼ばれる宝玉が安置されていて、ホビット族曰く竜の玉とは「海の守護者の脳」であるらしい。竜の玉が一度でも瑕つけられると、守護者は目覚め、我を失くしたように暴れ狂い、半島周辺の海を荒らすという。
また、海の守護者にはこんな逸話がある。「海の守護者とは、古代人が不当に築いた神殿を守るために作り出した神殿の番人であって、海を守っているわけではない……らしいよ?」
尚、ホビット族の大半は海の守護者のことを「海の荒し屋」と呼び、忌み嫌っている。


ケット・シー - Cait Sith

ケット・シー

Cait Sith

ユーゴルドキア大陸の東部に住まう種族。二足歩行の猫のような姿をしているが、猫の進化系でも猫の妖精でもないらしい。そして彼らの起源は一切不明。彼ら自身も知らない。
そんなケット・シーはいつの間にかエールケディスの大地に現れ、いつの間にかユーゴルドキア大陸の東部にケルンドゥーヌという大都市を作り上げていた。
お陰で協調とプロセスを尊ぶ南のエルフの怒りを買い、今もなお劣悪な関係は続いている。それでも図太いケット・シーは、我が物顔で大地にのさばり、霧開き商会とは全く異なる航路と商会を築き上げた。

キャニサルペドゥン村

Village Cianisalpedne

しかし全てのケット・シーが強欲で、恥知らずというわけではない。中には質素さと朴訥さを好んだケット・シーも居る。
霊峰パルトゥーリの麓、高地の過酷な場所には、農耕を営むケット・シーが存在している。
キャニサルペドゥン村と呼ばれるその地に住まうケット・シーたちは、実に素朴で愛想がない。そしてキャニサルペドゥン村のケット・シーたちは、ケルンドゥーヌのケット・シーたちをひどく嫌っている。

ケルンドゥーヌ公国

Grand duchy of Chellndune

ケット・シー最大の領地。大地の西側の経済中心地がライタフィルズであるならば、東側の経済中心地はケルンドゥーヌといえるだろう。
ケルンドゥーヌには現在、3つの商会が存在しており、独自の派閥を持っている。そして各商会のトップに立つ者は自称「ケルンドゥーヌ公」を名乗っている。あくまで自称であり、他の種族たちからは認められていないが、ケルンドゥーヌのケット・シーたちにとっては他種族からの承認など最もどうでもいい事柄である。

ケルンドゥーヌの商会派閥

3 pieces of trading-company in Chellndune

ケルンドゥーヌには現在、大きく分けて3つの商会が存在している。エールケディスの全てを背負う商会「霧開き商会」、そして悪逆非道の「メルクゥ商会」、王道を行くが故に前途多難な「ケルンドゥーヌ商会」の3つだ。
現在ケルンドゥーヌにおいて最も猛威を振るっているのは「メルクゥ商会」である。その為、ケルンドゥーヌの別名は「無法地帯」。メルクゥ商会と提携している店に入ってはいけない、と霧開き商会は触れ回っている。そして「ケルンドゥーヌ商会」は現在、霧開き商会との提携を模索中。ケルンドゥーヌの今後の行く末は、いかに?


ドワーフ - Dwarf

ドワーフ

Dwarf

アレンティア大陸全域に、広く点在している種族。がっしりとした体格と低い身長、若者でも老人のような姿をしていることが印象的な種族で、エルフやホビットと比べるとマナの保有量が圧倒的に少ないのが特徴。起源は、キヴォ・ハンジャロイ火山が噴火した際に、火口から飛び出た噴石の中から誕生した生命から。
火山の溶岩から取り出せる金属の、製錬と加工が自分たちの使命だと信じて疑わない者が多い。そしてドワーフ族の鉄鋼の加工技術は、エールケディスで最も優れているといっても過言ではない。反面、彼らは金属以外のことに興味を全くもって示さないという短所も持つ。
またドワーフ族に性別はなく、全てのドワーフ族が他種族でいうところの男のような姿をしている。これは彼らが火山の噴石の中から生まれることに由来する。女性という役割が、彼らには必要ないのだ。

キミルアスト自治領

Vilage Chymillust

アレンティア大陸中部に存在する、ドワーフが集う小規模の村。しかしドワーフ族の中では最大の集落だ。そして自治領とは名ばかりで、実際には南のエルフが彼らの面倒を見ている。
キミルアスト自治領には主に、鉄鋼を加工する職人が多く集まっている。そしてキヴォ・ハンジャロイ火山火口付近の製錬所にて製錬/精錬された鉄鋼が、始めに集荷される場所が、この地である。
職人の多くは武器防具職人、または装飾品や日用品を作る者たち。なお蒸気船や飛行艇の製造を行う変わり者は、キルッフ=アルナッハぐらいしかいない。

南のエルフとの関係性

ドワーフという種族は、どうしようもないほどに治政に興味がない。だが、かといって無法地帯でいいわけではない。なので彼らは南のエルフの管轄下に加わることにより、その問題をクリアした。つまりドワーフ族を治める王は、喝采の王ガゼルゼンスなのだ。
現状にドワーフ側はなんら不満を抱いておらず、ガゼルゼンスの治政に満足しているようだが、ガゼルゼンス側は「ホビット族のように、ドワーフ族も自立してもらわねば困る」と危機感を募らせている。
そこでドワーフ族は、ドワーフ族を取りまとめる者として「首長」という役職を立てた。しかしドワーフ族の首長は名前だけのようなもので、エルサムガスク公のような機能はない。


その他 - Others

大樹オルフェウス

Big tree Orpheus

イグレスラッド島の北部にある集落、オールフキナンフ村に聳える大木。始のエルフと同時期に誕生した樹で、樹齢は3億年を超える。オルフェウスの子らは、この樹になる実から産まれ落ちてくる。
この樹の種は聖杯から生まれ、そして聖杯は種を生み出した直後に活動を停止した。つまりルーツは、始のエルフと同じなのだ。
オルフェウスの子らはこの樹を「母なる大樹」と呼び、敬っている。しかし西のエルフたちは「大樹の姿をした不気味な怪物」と呼んで、嫌っている。
西のエルフであるラドゥイアゴスとルゼルアンドは顔にこそ出さないが、この樹を心底疎んでいる模様。ラドゥイアゴスは一度この樹を焼き払おうとしたが、気味の悪いことにこの樹には火が移らず、燃えなかったのだという。以来ラドゥイアゴスは焼却を諦め、監視を続けている。そして万が一の事態を考慮し、この樹が根を張るイグレスラッド島から西のエルフを逃がし、大陸に送った。

守護竜と守護鳥

Guardians of Yelekedis

水神カリスの眷属たち。宵闇の竜カミラ、萌芽の竜リルフ、劫火の竜ベムド、紅翼の巨鳥スパーナの四柱で構成される。
カミラはラドゥイアゴスと盟約を交わし、西のエルフの守護竜を。リルフはヤムリシェンドと契約を交わし、ヤムリシェンドが何にも煩わされぬ安住の寝床を提供する代わりに、北のエルフの守護竜を。スパーナはイグリザンドと誓約を交わし、イグリザンドの代わりに聖剣の管理をしている。ベムドの今の所在は不明。しかし噂によるとベムドは、チャリスの遣いに仕えているという。

チャリスの遣い

The Envoy of Ark

選ばれし旅人には、方舟へ向かう道を指し示してくれる、とされている。
古代人のような見た目をしているが、どうやら古代人とは似て非なる存在であるらしい。

古代人

Ancients

かつて大地を支配していたとされる種族。20億年以上も昔に滅び去っている。
偉大で高度な文明を築き上げたが、その文明により憐れにも自滅していったとされている。

マナ

Manna

エルフ、ホビット、ドワーフの生命の根幹を成すエネルギー。気体であるとされているが、液体であるとする説や、個体であるとする説も、果てはプラズマのようなものであるとする説もある。つまるところ正体不明で、何一つとして分かっていない。睡眠により補充することができる。
マナが尽きると、エルフ/ホビット/ドワーフの三種族は動けなくなり、たちまち眠りに落ちてしまう。
しかしケット・シーや古代人の末裔、その他動植物は基本的にマナがなくとも活動ができる。それどころかエルフ/ホビット/ドワーフの三種族以外の生命は、高濃度のマナに触れると不定愁訴を訴える等の体調不良を引き起こしたり、最悪の場合は死に至ることもあるので、注意が必要だ。

魔物

Apparition

現世を彷徨う死霊がマナの力と呼応した結果、仮の肉体を持って顕現した存在。その中でも、攻撃的で生命に危害を加え得るものが「魔物」と呼ばれる。
姿かたちや能力等は、個体により様々。一概にどうとは言い切れないほど、バリエーションが豊か。そして魔物の性格に応じて「火」「水」「風」「地」「明(光)」「冥(闇)」に分類される。
マナに近しい存在であるため、精霊を介さず詠唱抜きに魔法を扱うことができる。

精霊

Spirit

実は、魔物と大差ない存在であるということは、あまり知られていない。生命に危害を加えない死霊で且つ目に見えない存在のことを、精霊と呼ぶ。
性格は精霊によりけり。一概にどうとは言い切れないほど、バリエーションが豊か。そして精霊の性格に応じて「火」「水」「風」「地」「明(光)」「冥(闇)」に分類される。
詠唱により精霊にマナを送り、精霊はマナをエネルギーに変換して、生命に力を貸し与える。これを「魔法」と呼び、詠唱を行う術士を「魔導士」と呼ぶ。

闇の耳

Nightmare listener

ラドゥイアゴスが、イグリザンドより譲り受けた能力。魔物、精霊の声を聴く力だそうで、ごく普通の音を聴くように、魔物と精霊の声が聴こえてくるのだという。
そして偶然、リドゥイアスも遺伝でその力を受け継いだようだが……どうやらリドゥイアス自身には、自覚というものがないらしい。

信天翁(あほうどり)の死神

Death the Albatross

「血も涙も心もない、冷酷な死神」であると言い伝えられている。「大地の掃除屋」とも呼ばれ、現世に留まり続ける死霊たちを刈り取り、それらを永遠に葬り去ることを役目としている。その為、大抵の精霊や魔物は、この名前を出すと恐れをなして逃げていくという。
伝承によると、信天翁のような姿かたちをした影を引き連れているという。
始のエルフは、彼の存在を知っているらしい。

竜の方舟と大地の守護神

Dragon's Ark and Chalice the Dragon god

大地の守護神とは、竜の方舟にて眠る竜神チャリスのことを指す。
エルフを始めとするエールケディスの大地に住まう生命たちは、チャリス神のことを大地の守護神として崇めている。が、チャリス神のその姿を見たことがある者はいない。その為、チャリス神が実在するかどうかを疑う声もあり、現在ではそちらのほうが主流派で、チャリス神を信じる者は少ない。
そしてチャリス神が塒とする「竜の方舟」は、空を漂う孤独な大陸のことを言う。また大陸の正式な名称は「アルフテニアランド」だとされているが……――?

水神カリス

Khalice the Water god

竜神チャリス……――とは少し異なる模様。
ラドゥイアゴスは、どうやら水神カリスのことを知っていて、さらに見たことがあるらしい。
ある女は、水神カリスについてこう証言した。「おっちょこちょいで、猪突猛進なオチャメな神様」
ある男は、水神カリスについてこう証言した。「とある神器に執着している。絶対に、あれにだけは手を出してはならない」
ある青年は、水神カリスについてこう証言した。「あれは海老尻尾ドラゴンだ」